そこで今回の特集は、気になる早産児ちゃんの発達についてのさまざまな疑問・質問にお答えします。
早産児ちゃん育児の悩みや不安をさっぱり解消して、かわいいベイビーといっしょに大切な子育てタイムをハッピーにすごしましょう!
いつになったら成長が正期産児に追いつくの?
修正月年齢で考えよう!公園や検診などで出会う正期産児と比べてしまうと、「いつになったら成長が追いつくのかなあ」「本当に追いつくのかなあ」とつい不安になってしまうことがあるかもしれませんね。
でも早産児は早めに産まれてきたのだから、同時期に産まれた正期産児と比べて小さいのは当たり前だと考えましょう。
在胎週数が短かった赤ちゃんほど、発育経過は正期産児と大きな隔たりがあります。だから3歳未満の早産児の成長や発達は、実際に産まれた日ではなく、産まれる予定だった日(出産予定日)から数える「修正月齢」で考えるのが大切なのです。例えば在胎32週で産まれた早産児は、生後6ヵ月でも修正月齢は4ヵ月。そう考えれば、成長や発達にあせりを感じることも少なくなるのではないでしょうか。
たとえ正期産児で産まれても、体の大きさや発達はその子によって違うもの。比べず、あせらず、かわいい我が子なりの成長を温かい目で見守ってあげたいですね。
1歳半ぐらいまでに運動発達の差はなくなる生後1年未満は、発達の差がかなり目立つものですが、歩けるようになるころ(1歳~1歳半くらい)には、運動発達の差がなくなるといわれています。(成長や発達が追いつくことを「キャッチアップ」といいます)
体の大きさはもう少し先、小学校入学くらいで正期産児たちに追いつくとされています。ただし、一般的に在胎週数が短かった赤ちゃんほど、成長や発達が正期産児に追いつくのは時間がかかります。
また、その子個人の成長のペースもありますので、上記のキャッチアップの時期は、あくまでも目安と考えてください。
どうする?幼稚園や保育園の入園
まずは園に相談を!一般に、保育園のゼロ歳児保育は生後48日目から、幼稚園は3歳になったら受け入れをスタートします。
でも早産児は、実際に生まれた日を基準に考えると、正期産児よりも体は小さめ。月齢によっては発達にも差があります。
保育園や幼稚園は基本的には実際に生まれた日を基準に受け入れてくれますから、発達などが気にならなければ誕生日どおりに入園させてもいいでしょう。
ただ、5月が予定日だったのに、2ヵ月早く生まれて3月生まれになってしまったなどという早産児は、本来入園するはずだった年齢より1歳上の子どもたちといっしょに入園することになります。
これは早産児本人にとっても、受け入れる保育園や幼稚園にとっても、大きな負担になることがあります。
保育園や幼稚園はこうした相談に柔軟に対応してくれることも多いので、まずは入園前に園とよく相談してみましょう。場合によっては、修正月齢に対応して、1年下のクラスに編入させてくれることもあるようです。
小学校は年齢どおりに入学欧米では、子どもの発達によっては修正月齢に対応し、就学年次を遅らせてくれる場合もあります。
しかし日本での小学校は産まれた年月日で就学年次が決まり、修正月齢では考えてくれません。つまり本当は1学年下で入学するはずだった早産児も、1歳上の子たちといっしょに入学しなければならないのです。
発達に不安がなく、1歳上の子たちといっしょでも大丈夫、という子はもちろん問題はありません。
しかし、子どもの様子を見て、やはりまだ入学には早いとママたちが考えるならば、学校側に相談してみるのもいいでしょう。現在は柔軟に対応してくれる学校は少ないのが現実ですが、日本の現状も徐々に変わってきており、修正月齢に対応してくれる流れになりつつあります。
予防接種はしっかり受けさせて!
積極的に受けさせよう在胎週数が短い早産児は、ママから抗体(免疫物質)を受け取る前に産まれてきている場合があるので、一般に免疫力が弱いとされています。
ですから、なるべく予防接種は積極的に受けるようにしましょう。
予防接種を受けるスケジュールは、修正月齢でなく、大部分の早産児ちゃんは実際に産まれた月齢で計算して大丈夫です。
ただし、その子の状態や病気の流行状況などによって多少スケジュールを変えたほうがよいこともあるので、心配な場合は主治医の先生に相談しましょう。
おたふく風邪や水疱瘡、インフルエンザなどを予防するための自己負担で受ける任意接種は、保護者の意向によって受けるかどうか決定します。
国立感染症研究所:感染症情報センター、予防接種スケジュールはこちら
発達を促すにはどうしたらいい?
ママやパパのスキンシップが一番!早産児でも正期産児でも、体と心の発達に最も重要なのがママやパパなど、家族からの愛情です。
早産児の中には、産まれた直後からNICUなどに入り、ママたちと別々にすごさなければならなかった子もいるでしょう。でも早産児は、おなかの中にいたときに、しっかりとママやパパの声やぬくもりを感じています。
ですから産まれてからあまりいっしょにいられなくても、ママやパパのことが大好きで、声をかけてもらったり、やさしく触ってもらったりすると、とてもうれしいのです。
日本でも最近、赤ちゃんの発達を促したり、状態を安定させたりするため、またママとの愛情を育むために、カンガルーケアがおこなわれることが多くなりました。
カンガルーケアとは、赤ちゃんを母親の乳房と乳房の間に抱いて、裸の皮膚と皮膚を接触させながら保育する早産児のケア方法です。
カンガルーケアをおこなわなくても、赤ちゃんはママやパパに触ってもらうと安心するものです。
入院中、退院後に関わらず、赤ちゃんやママの状態や時間が許す限り、愛情を持って赤ちゃんに接してあげましょう。
声かけや適度な運動を早産児に限らず、赤ちゃんはママたちの声かけや散歩、運動などの心地よい刺激によって発達が促されます。
なるべく目を見て話しかけてあげたり、ときには手や足をやさしく曲げ伸ばししてあげたり、天気のいい日には公園に散歩に出かけたり、その子の状態や月齢に合ったケアをしてあげましょう。
静かに見ていてくれて楽チンだからといっても、テレビやビデオの見せすぎはNG。
日本小児科医学会は、2歳児まではテレビやビデオの試聴を控えた方がよいとの見解を示しています。言葉の遅れや、視線を合わせない、友人と遊べないといった乳幼児が最近多くなり、そうした家庭ではビデオやテレビを長時間見せている例が目立つといいます。
テレビやビデオよりもママとのお話や手遊びが、赤ちゃんの発達にはたいへん役立つのです。
過保護は禁物!
大切に、でもたくましく育てることが大切産まれたばかりの早産児は体が細くて弱々しく、守ってやらなければという衝動にかられます。
しかし入院中に適切なケアを受け、退院が許可されるころには、もう外でも立派に生きていける強さを身につけています。
ですから退院後には、早産だったからといってあまり過保護にしすぎず、適度に刺激を与えたほうが、体力や免疫力もつきますし、発達も促進されます。主治医の先生に注意点を聞きながら、散歩や体操など適切な刺激を与えてあげましょう。
基本的に、早産で産まれても、退院したら正期産児ちゃんと同じケアで大丈夫。
ただし、感染症には弱いので、風邪が流行る季節には人ごみを避けたり、ママやパパの手洗いを徹底することは重要です。
きょうだいとの触れ合いも大切早産児の上に、お兄ちゃん、お姉ちゃんなどがいる場合も多いでしょう。
「兄弟でかぜがうつってしまっては大変!」ということはよくあるものです。早産児は、感染症には弱いので、少し注意が必要です。たとえば、上の子が外から帰宅した場合、手洗いを徹底させ、服が汚れている場合には、新しく着替えさせましょう。
もし、上の子に、咳が出ている、鼻を垂らしているなど、かぜらしい症状が見られたら、2~3日、症状が消えるまでは、夜は一緒の部屋に寝ないなど工夫をしましょう。
それ以外は必要以上に、過敏にならず、兄弟・姉妹との触れ合いを大切にしてあげましょう。
上の子の存在は、どんな赤ちゃんにとっても、発育していく上で非常に刺激的で、大きな興味の対象となるにちがいありません。
障害が心配なママへ
超低体重出生児も約80%が普通学級へ早産児は、心臓や呼吸器、脳などに先天的な障害を持っていることがあります。また、体の機能が未発達で産まれてくるためにさまざまな部位に負荷がかかり、そのために障害が残ってしまうこともあります。
在胎週数が35~30週くらいで、体重も順調に増えていれば、予後は正期産児とほとんど変わりません。しかし出生体重が1000g未満の超低出生体重児の予後調査では、6歳時の約20%に何らかの障害が残っていたという結果が出ています。
このような調査結果を聞くと、悲観的になってしまうママもいるかと思いますが、逆に考えれば体重が1000g未満で産まれても、約80%が何の障害もなく元気に学校へ行けるということなのです。これは世界的に見てもたいへん高い数字です。
誰かが必ず力になってくれるもし何らかの障害がある場合、または残りそうな場合は、主治医の先生から説明があると思います。胸が張り裂けそうな思いをすることもあるでしょう。つらくてつらくて、絶望的な気持ちになることもあるでしょう。どうか、そんなときは家族や友人などの身近な人や、子どもを見てもらっている先生や看護師さん、保健師さんなどに胸のうちを話してください。大きな心配事でも、相談して見ると容易に解決できたり、心が楽になったりすることがあります。
障害を持って、一番がんばっているのは子ども本人です。ママやパパは、その子が一生懸命生きるのを手伝ってあげることしかできません。医療技術は日々進歩していますから、早期に相談して適切な処置やリハビリをはじめれば、障害をかなりの程度、克服できるようにもなっています。希望をあきらめず、その子なりの成長を温かく見守って、日々の幸せを実感して過ごしていただけたらと思います。




